季節の生きもの情報

ここでは、六呂師高原で見られる生物を中心に、旬の情報を不定期で発信しています。

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六呂師高原の紅葉

 10月も終盤となり、朝晩の冷え込みを感じる今日この頃、六呂師高原では、経ヶ岳をはじめ背後にそびえる山の木々が、みるみる赤色や黄色に彩られてきました。標高500~600mの自然保護センター周辺は、まだ本格的な紅葉には早いですが、徐々に木々が色づいてきています。

 下の画像は先週、自然保護センターより標高が300m程高い経ヶ岳登山口周辺で拾った葉をスキャンしたものです。黄色いものから赤いものまで樹種によって様々な色があります。なぜ種類によって色が異なるのでしょうか?

色づいた樹木の葉

 樹木の葉には光合成を行うクロロフィルという緑色の色素が多く存在するため緑色に見えます。春から秋までクロロフィルは分解と再生産が繰り替えされていますが、落葉樹では、日照時間が短くなり気温が低くなると、光合成の効率が落ちるため、葉を維持するコストが光合成によって得られる利益に見合わなくなります。そこで樹木は、クロロフィルの再生産をやめ、分解だけを行なうようになるため、緑色は薄くなり、葉に含まれる他の色素が見えるようになるのです。

 葉が黄色く変化する「黄葉」は、葉の中にもともと含まれていた「カロテノイド」という黄色の色素が見えてくることで起こります。

 一方、葉が赤く変化する「紅葉」はクロロフィルの分解に加え、別のしくみによって引き起こされます。「紅葉」する樹では、葉に蓄積されたブドウ糖が紫外線によって分解され、それまで存在しなかった新たな色素である赤色の「アントシアン」がつくられるのです。全ての樹種が糖からアントシアンを生成できるわけではないので、種類によっては紅葉しないものがあるのです。

 上の画像では、赤く色づいたハウチワカエデやヤマウルシなどは紅葉するグループです。

※ウルシのなかまは真っ赤な紅葉が美しいですが、触るとかぶれるので要注意です!

 一方、黄色い葉はたくさんありますが、落葉するまで黄色いままなのはオオバクロモジのみで、他の葉はさらに光が当たると、橙色や赤色、赤褐色に変化します。

ハウチワカエデの部分紅葉

 ところで、紅葉狩りをしていると、同じ木の中でも枝や葉の部分によって色づき具合が違うことがよくあります。上の画像のハウチワカエデの場合、きっと緑色の部分は、他の葉にさえぎられて日当りが不十分だったのでしょう。以上のように、紅葉するかどうかは、木の種類だけでなく日当りなどの条件も重要となります。

 

池ヶ原湿原の草紅葉

 六呂師高原の樹木の紅葉にはもうしばらく時間がかかりますが、日当たりの良い池ヶ原湿原では、シロネやミズオトギリ、ミゾソバなど草紅葉が一足早く見ごろを迎えています。紅葉の複雑なメカニズムはさておき、秋だけの絶景を楽しみに六呂師高原にお越しください。