地図の活用
被害対策の意志決定支援に
効果的な鳥獣害対策を行うためには、現状を適切に把握・分析したうえで、次の対策に反映させる必要があります。しかしながら、これまでこのような情報は県全体や市町などの大きなまとまりでしか明らかにされておらず、その地理的な分布を把握することは困難でした。この地図を活用することで、被害や対策の分布を踏まえて、より的確な鳥獣害対策を検討することができます。
関係者間の情報の共有に
持っている情報や扱う地域の広がりは、立場(県、市町の行政担当者、農業者、狩猟者など)によって様々です。また、担当する(住んでいる)地域以外の情報はあまり把握しておられないことと思います。この地図を活用すれば、様々な地域の広がりで、行政的な境界を越えて鳥獣害の状況を把握することができます。鳥獣害対策を話し合う際に、現状を把握するための共通の土台としてお使いください。
情報整理の基盤地図として
この地図には、被害と捕獲の情報しか入っていません。市町や地域で把握している関連情報(電気柵や捕獲檻の設置場所)などを書き込むことで、より役に立つ地図を作ることができます。
対策への活用例
イノシシ有害捕獲頭数と水稲被害の増減傾向
被害が増えている、もしくは継続している地域に注目します。
周辺の有害捕獲頭数から、さらに有害捕獲の努力を進めるか、あるいは他の防除に力を入れるべきかを検討することができます。
【周囲で有害捕獲が少ない地域の例】 有害捕獲が被害軽減に結びつきやすいと考えられます。 |
【周囲で有害捕獲が多い地域の例】 周囲でたくさんのイノシシが捕獲されているのに、なお被害が継続しているのであれば、他の防除体制を再度見直した方が効果的です。 |
イノシシ総捕獲頭数と水稲被害発生確率
被害発生確率が高い地域では、これまでに被害が報告されていなくても今後被害が発生することが予想されるので、被害対策が必要です。
- イノシシによる水稲被害は、山間部の農地だけでなく、山際の平野部でも発生が予想されます。地域の被害防除体制は大丈夫ですか?
- 水稲被害が予測される地域で、周辺でのイノシシ捕獲頭数が少ない場所では、有害捕獲が被害軽減に結びつきやすいと考えられます。