9月2日~3日の自然情報

【土曜の夜に天体観望はいかがですか】

 いよいよ9月になりました。朝晩が冷え込むようになり、夏の終わりを感じます。7月~8月は天気の悪い日が多く、六呂師高原の素晴しい星空をみなさんにあまり楽しんでいただくことはできませんでした。一方、ここ数日は天気の良い日が続いているので、秋の晴天に期待したいです。

 さて、今回は9月の星空の見どころをご紹介します。9月は季節の変わり目にあたるので、夏と秋の天体を両方見ることのできる贅沢な時期です。

 夏の天体としては、やはり「土星」がたいへん人気があります。今年はさそり座のすぐ上で輝いています。今年の土星は、環が地球の方に向いて最大に傾いているため、環の観察がしやすい年にあたります(15年に1度だけ起こります)。10月までは観察できますので、この機会にぜひご覧になっていただきたいです。

 

土星 15年ぶりに環が地球の方に大きく傾いている

 

その他に夏の天体としては、北半球で見ることのできる球状星団としては最も明るい「M13」、望遠鏡の視野いっぱいに満天の星空が広がるように見える散開星団の「M11」、そして全ての2重星の中で最も美しいと称される「天上の宝石アルビレオ」などがあります。

 

M13 球状星団
天上の宝石 アルビレオ

 

 秋の天体としては何といっても「M31 アンドロメダ大銀河」が有名で人気があります。肉眼でも確認できるほどの明るさと大きさを持つ銀河です。センターの巨大望遠鏡で見ると迫力があります。その他、2つの散開星団がすぐ近くで並ぶ「2重星団h-χ」や色の対比が美しい2重星「アルマク」も見ごたえがあります。

 

M31 アンドロメダ大銀河

 

 また、9月の星空には「M57 リング星雲」「M27 アレイ状星雲」「NGC7293 らせん星雲」など、惑星状星雲の見ごたえがあるものが多いです。惑星状星雲は太陽のような質量の恒星が一生の最後に見せる姿です。光の淡い天体であるため見つけるのが難しいですが、これら3つは大きさや明るさの条件がよく、観察しやすいです。

 

M57 リング星雲(こと座)