【秋の実いっぱいの六呂師高原と保護飼育中の子リス】
今週末で9月は終わり、いよいよ秋本番の10月になります。六呂師高原の野草たちはいっぱい実をつけています。今回は自然観察の森で見られる秋の野草の実についてお知らせします。
今、自然観察の森の遊歩道を歩くと、ツリフネソウの花をいろいろな場所で見ることができます。じっくりとツリフネソウの株をみると、茎の上の方には小さなシシトウのような実がなっているのが分かります。よく熟した実を指で軽くはじくなど刺激してやると、皮がはじけて中の種子が飛び出します。まだ未熟な時はさわってもはじけません。熟し方が中ほどの時は、指で軽くもんでやるとはじけます。遊歩道を歩いているときに、この実ははじけるかな?はじけないかな?などと予想しながらさわってみると楽しいですよ。はじけた後には果皮がクルクルと丸まり面白い形になるのも注目です。
また、ツリフネソウには昆虫たちがよく訪れています。ホシホウジャクやマルハナバチの仲間、モンキアゲハなどです。ツリフネソウの蜜は花の一番奥の渦巻状の部分にありますが、蜜を飲むためにはそこまで口が届かなければなりません。ツリフネソウを訪れる昆虫の多くは長いストロー状の口を持っています。ただ、花の外側から口だけを伸ばして蜜を吸うことは難しいらしく、蜜を飲むときには花の中に頭や体を突っ込み、その状態から口を伸ばして奥にある蜜を吸います。その際、昆虫の頭や体についた花粉がめしべに付き、受粉されます。ツリフネソウにとって昆虫たちは子孫を残すための大切なパートナーというわけです。
ツリフネソウ以外にも色々な実がなっています。ムラサキシキブの薄紫のきれいな実やショウシュヤマゴボウの濃い紫色の実、イヌガヤのどんぐりのような実。イタヤカエデの実はクルクルと回転しながら舞い落ちます。また、実ではありませんが、ヤマノイモのむかごもたくさんなっており、森のおやつとして食べることができます。
【保護中の子リスのエサやりを公開します!】
先週末の9月24日に自然保護センターにニホンリスの子どもが保護されてやってきました。9月23日に福井市の文殊山の登山口で衰弱して地面にうずくまっているところを発見され、センターまで届けられました。まだ、生後2か月の幼獣(オス)で、乳離れして間もない時期だと考えられます。現在は犬用の粉ミルクやナッツなどを与えて元気を取り戻していますが、まだ小さいため自然に戻すにはもう少し成長させなければならない状態です。
ニホンリスは山林に生息していますが、実物を見る機会は少ないです。センターではこの機会に実物のニホンリスをみなさまに見ていただくことを通して、身近な自然にもリスが生息していることを知っていただき、自然や命の大切さを実感していただきたいと考えております。そこで、ニホンリスの授乳や給餌の様子を一般公開することにいたします。詳しい時間や場所は下記をご覧ください。
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