【自然観察の森の赤い実】
六呂師高原の木々は全体的にまだ緑色で、紅葉が見ごろを迎えるにはもう少し時間がかかりそうです。ただ、一部の木々は黄色や赤色に染まり始めており、間もなく訪れる紅葉の景色に期待が膨らみます。
今週は自然観察の森で見られる赤い実をご紹介します。マユミやコマユミ、ズミ、ミヤマガマズミです。これらの木々の実は、鮮やかな赤色をしており、今の時期、緑の森の中でとても目立ち、秋の森に彩りを加えています。
では、なぜ、このように目立つ色をしているのでしょう。この派手な赤色により、鳥や熊などが森の中でこれらの実を見つけやすくなり、よく食べます。その際、周囲の果肉だけを食べ種子が口から吐き出されたり、飲み込まれた果実のうち果肉だけが消化され、種子は糞として排出されたりします。特に果肉には発芽を抑える物質が含まれるため、消化されることで種子の発芽率が上がります。そうやって種子が森の中の様々な場所にばらまかれ、芽を出すことになります。つまり、動物たちにおいしい果肉を提供することにより、種子を散布してもらっているのです。
森の中のアワブキの木にはアオバセセリやスミナガシの幼虫がいました。アワブキの葉には幼虫の食痕がいっぱいあります。葉にくるまって隠れていたり、葉と同じ色をしていたりと見つけにくいですが、どちらの幼虫も面白い色や形をしていますので探してみてはいかがですか。(見つけても触ったり、採集したりしないでくださいね。見て楽しんでください。)
撮影当日は雨が降った後だったので、チカラシバの穂に雨滴がつき、とてもきれいでした。雨の日や雨上がりにしか見られない風景も魅力的ですね。