平成30年5月2日 六呂師高原も新緑が美しい季節を迎えました
木々の芽吹き前線は標高1,000mを越え、六呂師高原から望む日本百名山の荒島岳や保月山・経ヶ岳が、次第に柔らかな緑で覆われてきています。また、高原内では次々と花が咲き、六呂師高原が1年で最も爽やかな時を迎えています。
大型連休後半は、こんな清々しい六呂師高原で、休日のひと時を過ごされてはいかがでしょうか。
今が旬、これからが旬になる花をご紹介します。
<以下、写真解説>
・ミツガシワ
連休中の一番のお勧めの花は、「妻平湿原のミツガシワ」です。湿原が一面に白い花で覆われ、1年で最も美しい妻平湿原の風情に親しんでいただくことができます。
・ミチノクフクジュソウ
自然観察の森の一角にあるまだまだ見頃のミチノクフクジュソウの黄色いじゅうたん。ミチノクフクジュソウの花は、光の恵みをいっぱいに浴びようと常に太陽の方を向いて動きます。鮮やかな黄色の花は、太陽を背にすると最も美しく光り輝いてくれます。
・ズミ
白色からピンク色の花が密生して咲くズミ。その存在感は高原内でひと際目立ちます。
ズミの木を見つけたら近づいて見てください。白色とピンク色の絶妙なバランスが美しいつぼみや、眩いばかりの純白の花に感動です。
・ウワミズザクラ
ズミと共に、この季節に存在感を発揮するウワミズザクラ。白い小さな花が集まって作る円柱状の花形とその花が密生して咲く様は、遠くからでもその存在を十分知ることができます。
・オキナグサ
すでに福井県から野生個体が絶滅してしまったオキナグサ。恥じらう少女ように下向きに花を咲かせるので、カメラマンにとってはとても撮影しにくい花です。
一方、名前は「翁草」。翁の白い銀髪のような毛が長く伸びる実を付けることから名付けられたそうですが、密生した淡色の毛をまとった花だって、十分、翁の髭のようですね。
現在、六呂師高原に見られるオキナグサは、かつて野生で生えていた個体を育てて増やし、花壇の中に植え戻したものです。妻平湿原のスキーパーク側にある「オキナグサ園」やテニスコートの道路を挟んで反対側にある「農家民宿このは」のお庭に生えています。
・チゴユリ
自然観察の森にある神明山の斜面では、歩道沿いにチゴユリの花が咲き始めました。稚児のように草丈10cm程度の小さなユリです。この花もまさに恥ずかしがり屋の稚児のように花を下向きに付けるので、地べたに這いつくばって撮影しないと花の様子を伝えることができません。
まだ満開はまだ少し後ですが、保護センターの本館裏は、チゴユリが密生して生えるお勧めポイントです。
・エンレイソウ
延齢草は漢字のとおり、中国で薬草として利用されてきたことが名前の由来だそうです。
効能は、高血圧、神経衰弱、健胃、腹痛、食あたりですが、有毒物質のサポニンを含むため、体質の弱い人や多量に使用すると、嘔吐、下痢、血便などが生じるそうです。一方、これを利用して、食あたりや食べ過ぎの際に食べたものを吐き出させ、命拾いすることから「延齢草」をなったようです。
大きな3枚の葉が輪生し、その中心から地味な花が1輪咲く様子は、一度見れば忘れられない独特の姿かたちをしています。
その他、自然保護センター本館前駐車場の周辺には、イチリンソウとニリンソウの白い花がちょうど見ごろです。本館から妻平湿原に向かうアプローチ歩道沿いでは、白いキクザキイチゲがまだ少し咲いています。妻平湿原の神明山側にはニリンソウ、湿原内にはサワオグルマの黄色い花も咲き始めています。