幸せを呼ぶ青いハチ(平成30年8月31日)

 センター学習広場の絶滅危惧種花壇には、オミナエシ、キキョウ、マツムシソウの花がとてもきれいに咲いています。これらは、県版レッドデータブックでは県域絶滅危惧Ⅰ類に選定されており、今では見ることが困難な種です。現在、この花壇には吸蜜に来る昆虫たちが集まり、いわば「昆虫のレストラン」となっています。

 この昆虫のレストランに、最近、とてもきれいな青色のハチがやってきていることに気付きました。大きさは1~2cmほど、まるでミツバチのように飛んでいます。本州、四国、九州に分布し、全国的に減少傾向の珍しいハチです。その鮮やかな青色と、珍しさから「幸せを呼ぶ青い蜂(ブルービー)」とも呼んでいるところもあります。

 センターで詳しく調べたところ、この青いハチは「ナミルリモンハナバチ」というミツバチ科の一種でした。県によっては絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に選定されています。福井県レッドデータブックでは、要注目と選定されており、生息状況がよく分かっておらず、数が少ないようです。また、ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチの巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣の花粉などを横取りして育つめずらしい生態をしています。産み付けられる卵の数が制限されるために、個体数も一度に多くは増えません。このような生態からも、ナミルリモンハナバチが珍しい昆虫であることが分かります。

 

 「昆虫のレストラン(絶滅危惧種花壇)」は、現在、吸蜜に来る昆虫でいっぱいです。花壇の横にカメラを置いて、たくさんの昆虫写真を撮ることもできます。中でも、この「幸せを呼ぶ青いハチ、ナミルリモンハナバチ」を発見できれば、みなさんに幸運がやってくるかもしれません。幸運をつかみに、自然保護センターへぜひお越しください。

 職員がこの花壇で撮影中に、ウラギンシジミが手の上にやってきました。まさにシャッターチャンス!こんなにアップの写真が撮れますよ。ちなみにこのウラギンシジミは、汗を吸っているようです。