絶滅危惧種の花壇と昆虫レストラン(平成30年8月24日)
【絶滅危惧種花壇は昆虫のレストランに】
本館下にある学習広場には、昨年、職員作業で造成した絶縁危惧種の花壇があります。この花壇に植えられている絶滅危惧種は、オミナエシ、キキョウ、マツムシソウで、いずれも県版レッドデータブックでは県域絶滅危惧Ⅰ類に選定されており、今ではほとんど見ることが困難な種です。
これらの植物は、今は絶滅危惧種ですが、かつては六呂師高原のあちこちを彩っていた身近な草花でした。50年ほど前まで、六呂師高原では、牛馬の飼料を得るための採草などによって草原が維持されていましたが、その後は機械による牧草の刈取りやレジャー施設の造成などの影響で、草原に生育するこれらの種は減少してしまったと考えられます。
そこで、自然保護センターでは、これらの種の系統を保存するとともに、来館者の皆様に六呂師高原の絶滅危惧種を手軽に知っていただくため、この絶滅危惧種の花壇を造成したというわけです。
また、オミナエシとキキョウは、万葉集に詠われた秋の七草(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、フジバカマ、オミナエシ、キキョウ)です。万葉集が詠われた頃には、身近に普通にあった草花であったことが、このことからもよくわかります。
さて、前置きが長くなりましたが、現在、キキョウの花はやや終盤を迎えつつありますが、オミナエシとマツムシソウの花は見頃です。
黄色い小さな花が集まった背高のっぽのオミナエシの花は、本館前の駐車場からもよく見えます。花壇に近づけば、小さな花が集まり半球状でクリのイガのようなめしべが目立ち、その周りには薄紫色の柔らかな花びらまとったオシャレなマツムシソウの花がちらほらと見えるはずです。
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キキョウのような大きな花は見ごたえがありますが、この小さな花たちのハーモニーも見事です。しかもそんな小さな花たちに誘われ、多様なチョウやハチなどの吸蜜昆虫が集まります。まさに「夏の昆虫レストラン」のご開店です。
吸蜜に来る昆虫たちは、どれもこれもまとった衣装とメイクの個性派ばかり!逃がさないように静かに近づき、じっくりと観察してみると、その顔と衣装の個性のすばらしさに感動です。
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特にお勧めは、ホウジャクガの仲間。驚異的なホバリング能力と超長い口吻を使って、小さな花を次々と移動しながら吸蜜する姿は、まさに日本のハチドリ!一度、ご覧になれば「ええええええーーー!」の嵐です。
でもいつもいませんから、少なくとも30分ぐらいじっとご来店をお待ちになってくだいね。