❝織りなそう力と技と美しさ❞ 森のキノコ国体開幕!?(平成30年9月28日)

福井県では、いよいよ今週末より国体が開幕します。

 

六呂師高原では、国体に先駆けて待ちに待った季節がやってきました。

雨続きの今日この頃、お陰様で自然観察の森はうるおい、森に足を踏み入れると、そこはキノコのワンダーランド!

あっちにもこっちにも不思議な色や形をした菌類たちがたたずみ、その応接に暇がありません。

キツネノカラカサ、ネナガノヒトヨタケ、テングタケダマシ、チャホウキタケ、オオホウライタケ、コテングタケモドキ、カブラテングタケ、ツルタケ、ツルタケダマシ、ドクツルタケ、クサハツ、チョウジチチタケ、ウスヒラタケ、カワラタケ、オオゴムタケ、ホコリタケ、サンコタケ、キツネノエフデなどなど…。

すでに森のキノコ国体は始まっています。

 

そんなわけで今日は、今大会のスローガン“織りなそう力と技と美しさ”をテーマに、先日(9月24日)自然観察の森で出会ったキノコ選手団を紹介します。

 

「力」

キノコは、樹木と共生する“外生菌根菌”と木や葉などを分解する“腐朽菌”に分けられます。

どんな堅い木でも分解してしまう腐朽菌は、みんな強力なパワーの持ち主です。

 

そして物理的な力強さならば、本日の出場選手の中では、オオゴムタケがトップレベルでしょう!

オオゴムタケ

触ってみると、まさにゴムの様な力強い弾力。見つけたら触れずにはいられません。

そして、オオゴムタケは皮をむくと、あら不思議、透明なゼリーのようです。

皮をむいたオオゴムタケ

なんと茹でて黒蜜をかけると素敵なスイーツとして食べられます(蜜の味しかしませんが)。

 

「技」

キノコは繁殖のために胞子を散布しますが、ただ傘を開いて風まかせに胞子を飛ばすだけではありません。

こちらのホコリタケは、袋状をしており、その中には無数の胞子を貯えています。

ホコリタケ

指でつまんでみると、てっぺんの穴から勢いよく胞子を吹き出します。

自然の中では、雨粒などの衝撃を利用して胞子を散布します。

胞子を放出するホコリタケ

 

そしてサンコタケやキツネノエフデは、なんと昆虫を使います。

これらのキノコは、胞子を作るグレバと呼ばれる器官から悪臭を漂わせ、ハエなどの昆虫を誘い、キノコからキノコへと胞子を運ばせるのです。

サンコタケ
左の腕の下部にハエがとまっている
キツネノエフデ

先日も観察していると実際にハエがやってきました。

キノコたちの巧な胞子散布の技をとくとご覧ください。

 

「美」

キノコの美しさを表現するのにもはや言葉は不要でしょう。

キノコたちの美しくキュートなフォルムは古くからさまざまな芸術品や絵画のモチーフにも使われてきました。

特に、ベニテングタケをはじめテングタケ科のキノコが持つ表裏一体の美しさと妖しさには不思議な魅力があります。

自然観察の森のテングタケ科の代表選手が、白く艶やかなドクツルタケです。

その名の通り毒があり、一本食べるとあの世行きです。

ドクツルタケ

 

美しいものには毒がある、と思いきや、同じテングタケ科のタマゴタケは、毒々しい美しさと裏腹に美味なキノコです。

そのフォルムは、本当にパカッと開いた卵から生まれたようで、可愛らしさもあります。

タマゴタケ

 

どういうわけか今秋の自然観察の森では、あちこちでタマゴタケが発生しています。タマゴタケに会いたい方には数年に一度のチャンスですよ!

 

 

そんなわけで、キノコに囲まれ一人森で盛り上がってしまいましたが、今週末からの国体と障がい者スポーツ大会が大いに盛り上がることを期待したいと思います。

 

最後になりましたが、確実に鑑定された食用キノコ以外は決して食べないでくださいね!

 

おまけ

その他、先日であったキノコたち(順不同)

ツルタケ
テングタケダマシ
チョウジチチタケ
コテングタケモドキ
ナガネノヒトヨタケ
カブラテングタケ
チャホウキタケ
ドクツルタケ(幼菌)
ウラベニホテイシメジ
ウスヒラタケ
カワラタケ
ノウタケ
キツネノカラカサ
ハナオチバタケ