絶滅危惧種の花壇と昆虫レストラン(平成30年8月24日)
【昆虫のレストラン2号店…?】
8月から9月にかけて、学習広場花壇のオミナエシの花は「昆虫のレストラン」として、吸蜜にやって来る昆虫たちで大賑わいでした。時にはナミルリモンハナバチという珍しい昆虫もやってきたりと、カメラマンの方々には絶好の撮影スポットだったようです。9月末には、オミナエシの花期が終わるに従い、昆虫もほとんど見かけなくなり、この昆虫のレストランは、残念ながら閉店となりました。
ところが、自然保護センターの昆虫のレストランは、このオミナエシ店だけではありません。自然観察の森には、まだオープン中の昆虫のレストランがあります。ファミリー芝生広場の馬取池側にあるミゾソバの群生地です。ミゾソバは下部は白色、上部は淡紅色をおびた小さな花を、50cm程に伸びた一つの茎に多数の花を付けます。そのため、ミゾソバの群生地は、昆虫たちにとっては吸蜜するのに丁度よいスポットで、オミナエシに次ぐ「昆虫のレストラン2号店」と言ってもよいでしょう。
先日は、このミゾソバの昆虫のレストランに、多くのミツバチが吸蜜に来ていましたし、ハナムグリ、ハエやアブの仲間もいました。他にも、2~3匹のオオウラギンスジヒョウモンも蜜を味わいに来ていました。オオウラギンスジヒョウモンは、日当たりのよい草原に多く、低山では7~8月は休眠しています。秋になって気温が下がり、休眠から覚めたオオウラギンスジヒョウモンは、このミゾソバの蜜がとても美味しいのか、大きな羽を一生懸命動かしながら吸蜜に来ていました。また、この日は数匹のハチドリのように飛ぶホシホウジャクにも出会いました。ミゾソバやツリフネソウの群生地を行ったり来たりと大忙しでした。
自然観察の森全体には、ツリフネソウ、アキノキリンソウ、サンインヒキオコシの花もまだ咲いており、こちらにも昆虫が吸蜜しに来ていますが、どうやらミゾソバの方が人気がありそうです。
さて、これらの植物や昆虫についての解説を聞きながら、自然観察の森を歩く「四季の自然観察シリーズ」も10月末までとなっており、あと残り3回です。この観察会に参加すれば、六呂師高原の秋の自然を満喫できること間違いなしです。今週末は、自然保護センターにぜひお越しください。
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【赤とんぼがやってきました】
このところの活発な秋雨前線の影響を受け、カラカラの8月がまるでウソのように雲が多く雨続きの9月になりました。そのため、今朝の六呂師高原の朝8時の気温は19℃、ついに20℃を切り、すっかり秋の気配が深まりつつあります。
秋の七草のオミナエシやキキョウが植えてある絶滅危惧種の花壇は、秋の気配に覆われるにつれ、キキョウの花はほぼ終了、オミナエシの花も次第に緑色の種が目立つようになってきました。それでもまだ、昆虫レストランはチョウやハチ、アブなどで賑わっています。晴れた日には、まだまだ昆虫レストランを楽しむことができます。
そんな中、秋の虫の代表「赤とんぼ」が、オミナエシの花に止まっているのを見つけました。顔がほんのりと赤いのは、これから次第に全身が赤く染まっていくナツアカネのオス。顔や胸は赤くならず、腹だけが赤くなるのはアキアカネ。そんな赤とんぼを観察していると、花壇のある学習広場の木々の枝先に赤とんぼが10頭ほど止まっているのを見つけました。9月初めには見られなかった光景です。
そのうち、曇り空が少し明るくなり、薄日が射し始めると、学習広場の上空を赤とんぼが20~30頭、舞い始めました。今秋、初めて見る光景です。今年もまた、赤とんぼの群れが六呂師高原にやってきたのです。
皆様の家の周り、職場や学校の周り、田んぼや畑などに赤とんぼが現れるのも、もうすぐです。見かけられた方は、ぜひ、自然保護センターにご報告くださいね~。
↓報告の方法は、以下のリンクからどうぞ!
【幸せを呼ぶ青いハチ】
センター学習広場の絶滅危惧種花壇には、オミナエシ、キキョウ、マツムシソウの花がとてもきれいに咲いています。これらは、県版レッドデータブックでは県域絶滅危惧Ⅰ類に選定されており、今では見ることが困難な種です。現在、この花壇には吸蜜に来る昆虫たちが集まり、いわば「昆虫のレストラン」となっています。
この昆虫のレストランに、最近、とてもきれいな青色のハチがやってきていることに気付きました。大きさは1~2cmほど、まるでミツバチのように飛んでいます。本州、四国、九州に分布し、全国的に減少傾向の珍しいハチです。その鮮やかな青色と、珍しさから「幸せを呼ぶ青い蜂(ブルービー)」とも呼んでいるところもあります。
センターで詳しく調べたところ、この青いハチは「ナミルリモンハナバチ」というミツバチ科の一種でした。県によっては絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に選定されています。福井県レッドデータブックでは、要注目と選定されており、生息状況がよく分かっておらず、数が少ないようです。また、ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチの巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣の花粉などを横取りして育つめずらしい生態をしています。産み付けられる卵の数が制限されるために、個体数も一度に多くは増えません。このような生態からも、ナミルリモンハナバチが珍しい昆虫であることが分かります。
「昆虫のレストラン(絶滅危惧種花壇)」は、現在、吸蜜に来る昆虫でいっぱいです。花壇の横にカメラを置いて、たくさんの昆虫写真を撮ることもできます。中でも、この「幸せを呼ぶ青いハチ、ナミルリモンハナバチ」を発見できれば、みなさんに幸運がやってくるかもしれません。幸運をつかみに、自然保護センターへぜひお越しください。
職員がこの花壇で撮影中に、ウラギンシジミが手の上にやってきました。まさにシャッターチャンス!こんなにアップの写真が撮れますよ。ちなみにこのウラギンシジミは、汗を吸っているようです
【絶滅危惧種花壇は昆虫のレストランに】
本館下にある学習広場には、昨年、職員作業で造成した絶縁危惧種の花壇があります。この花壇に植えられている絶滅危惧種は、オミナエシ、キキョウ、マツムシソウで、いずれも県版レッドデータブックでは県域絶滅危惧Ⅰ類に選定されており、今ではほとんど見ることが困難な種です。
これらの植物は、今は絶滅危惧種ですが、かつては六呂師高原のあちこちを彩っていた身近な草花でした。50年ほど前まで、六呂師高原では、牛馬の飼料を得るための採草などによって草原が維持されていましたが、その後は機械による牧草の刈取りやレジャー施設の造成などの影響で、草原に生育するこれらの種は減少してしまったと考えられます。
そこで、自然保護センターでは、これらの種の系統を保存するとともに、来館者の皆様に六呂師高原の絶滅危惧種を手軽に知っていただくため、この絶滅危惧種の花壇を造成したというわけです。
また、オミナエシとキキョウは、万葉集に詠われた秋の七草(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、フジバカマ、オミナエシ、キキョウ)です。万葉集が詠われた頃には、身近に普通にあった草花であったことが、このことからもよくわかります。
さて、前置きが長くなりましたが、現在、キキョウの花はやや終盤を迎えつつありますが、オミナエシとマツムシソウの花は見頃です。
黄色い小さな花が集まった背高のっぽのオミナエシの花は、本館前の駐車場からもよく見えます。花壇に近づけば、小さな花が集まり半球状でクリのイガのようなめしべが目立ち、その周りには薄紫色の柔らかな花びらまとったオシャレなマツムシソウの花がちらほらと見えるはずです。
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キキョウのような大きな花は見ごたえがありますが、この小さな花たちのハーモニーも見事です。しかもそんな小さな花たちに誘われ、多様なチョウやハチなどの吸蜜昆虫が集まります。まさに「夏の昆虫レストラン」のご開店です。
吸蜜に来る昆虫たちは、どれもこれもまとった衣装とメイクの個性派ばかり!逃がさないように静かに近づき、じっくりと観察してみると、その顔と衣装の個性のすばらしさに感動です。
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特にお勧めは、ホウジャクガの仲間。驚異的なホバリング能力と超長い口吻を使って、小さな花を次々と移動しながら吸蜜する姿は、まさに日本のハチドリ!一度、ご覧になれば「ええええええーーー!」の嵐です。
でもいつもいませんから、少なくとも30分ぐらいじっとご来店をお待ちになってくだいね。
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【昆虫のレストラン2号店…?】
8月から9月にかけて、学習広場花壇のオミナエシの花は「昆虫のレストラン」として、吸蜜にやって来る昆虫たちで大賑わいでした。時にはナミルリモンハナバチという珍しい昆虫もやってきたりと、カメラマンの方々には絶好の撮影スポットだったようです。9月末には、オミナエシの花期が終わるに従い、昆虫もほとんど見かけなくなり、この昆虫のレストランは、残念ながら閉店となりました。
ところが、自然保護センターの昆虫のレストランは、このオミナエシ店だけではありません。自然観察の森には、まだオープン中の昆虫のレストランがあります。ファミリー芝生広場の馬取池側にあるミゾソバの群生地です。ミゾソバは下部は白色、上部は淡紅色をおびた小さな花を、50cm程に伸びた一つの茎に多数の花を付けます。そのため、ミゾソバの群生地は、昆虫たちにとっては吸蜜するのに丁度よいスポットで、オミナエシに次ぐ「昆虫のレストラン2号店」と言ってもよいでしょう。
先日は、このミゾソバの昆虫のレストランに、多くのミツバチが吸蜜に来ていましたし、ハナムグリ、ハエやアブの仲間もいました。他にも、2~3匹のオオウラギンスジヒョウモンも蜜を味わいに来ていました。オオウラギンスジヒョウモンは、日当たりのよい草原に多く、低山では7~8月は休眠しています。秋になって気温が下がり、休眠から覚めたオオウラギンスジヒョウモンは、このミゾソバの蜜がとても美味しいのか、大きな羽を一生懸命動かしながら吸蜜に来ていました。また、この日は数匹のハチドリのように飛ぶホシホウジャクにも出会いました。ミゾソバやツリフネソウの群生地を行ったり来たりと大忙しでした。
自然観察の森全体には、ツリフネソウ、アキノキリンソウ、サンインヒキオコシの花もまだ咲いており、こちらにも昆虫が吸蜜しに来ていますが、どうやらミゾソバの方が人気がありそうです。
さて、これらの植物や昆虫についての解説を聞きながら、自然観察の森を歩く「四季の自然観察シリーズ」も10月末までとなっており、あと残り3回です。この観察会に参加すれば、六呂師高原の秋の自然を満喫できること間違いなしです。今週末は、自然保護センターにぜひお越しください。
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【赤とんぼがやってきました】
このところの活発な秋雨前線の影響を受け、カラカラの8月がまるでウソのように雲が多く雨続きの9月になりました。そのため、今朝の六呂師高原の朝8時の気温は19℃、ついに20℃を切り、すっかり秋の気配が深まりつつあります。
秋の七草のオミナエシやキキョウが植えてある絶滅危惧種の花壇は、秋の気配に覆われるにつれ、キキョウの花はほぼ終了、オミナエシの花も次第に緑色の種が目立つようになってきました。それでもまだ、昆虫レストランはチョウやハチ、アブなどで賑わっています。晴れた日には、まだまだ昆虫レストランを楽しむことができます。
そんな中、秋の虫の代表「赤とんぼ」が、オミナエシの花に止まっているのを見つけました。顔がほんのりと赤いのは、これから次第に全身が赤く染まっていくナツアカネのオス。顔や胸は赤くならず、腹だけが赤くなるのはアキアカネ。そんな赤とんぼを観察していると、花壇のある学習広場の木々の枝先に赤とんぼが10頭ほど止まっているのを見つけました。9月初めには見られなかった光景です。
そのうち、曇り空が少し明るくなり、薄日が射し始めると、学習広場の上空を赤とんぼが20~30頭、舞い始めました。今秋、初めて見る光景です。今年もまた、赤とんぼの群れが六呂師高原にやってきたのです。
皆様の家の周り、職場や学校の周り、田んぼや畑などに赤とんぼが現れるのも、もうすぐです。見かけられた方は、ぜひ、自然保護センターにご報告くださいね~。
↓報告の方法は、以下のリンクからどうぞ!
【幸せを呼ぶ青いハチ】
センター学習広場の絶滅危惧種花壇には、オミナエシ、キキョウ、マツムシソウの花がとてもきれいに咲いています。これらは、県版レッドデータブックでは県域絶滅危惧Ⅰ類に選定されており、今では見ることが困難な種です。現在、この花壇には吸蜜に来る昆虫たちが集まり、いわば「昆虫のレストラン」となっています。
この昆虫のレストランに、最近、とてもきれいな青色のハチがやってきていることに気付きました。大きさは1~2cmほど、まるでミツバチのように飛んでいます。本州、四国、九州に分布し、全国的に減少傾向の珍しいハチです。その鮮やかな青色と、珍しさから「幸せを呼ぶ青い蜂(ブルービー)」とも呼んでいるところもあります。
センターで詳しく調べたところ、この青いハチは「ナミルリモンハナバチ」というミツバチ科の一種でした。県によっては絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に選定されています。福井県レッドデータブックでは、要注目と選定されており、生息状況がよく分かっておらず、数が少ないようです。また、ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチの巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣の花粉などを横取りして育つめずらしい生態をしています。産み付けられる卵の数が制限されるために、個体数も一度に多くは増えません。このような生態からも、ナミルリモンハナバチが珍しい昆虫であることが分かります。
「昆虫のレストラン(絶滅危惧種花壇)」は、現在、吸蜜に来る昆虫でいっぱいです。花壇の横にカメラを置いて、たくさんの昆虫写真を撮ることもできます。中でも、この「幸せを呼ぶ青いハチ、ナミルリモンハナバチ」を発見できれば、みなさんに幸運がやってくるかもしれません。幸運をつかみに、自然保護センターへぜひお越しください。
職員がこの花壇で撮影中に、ウラギンシジミが手の上にやってきました。まさにシャッターチャンス!こんなにアップの写真が撮れますよ。ちなみにこのウラギンシジミは、汗を吸っているようです
【絶滅危惧種花壇は昆虫のレストランに】
本館下にある学習広場には、昨年、職員作業で造成した絶縁危惧種の花壇があります。この花壇に植えられている絶滅危惧種は、オミナエシ、キキョウ、マツムシソウで、いずれも県版レッドデータブックでは県域絶滅危惧Ⅰ類に選定されており、今ではほとんど見ることが困難な種です。
これらの植物は、今は絶滅危惧種ですが、かつては六呂師高原のあちこちを彩っていた身近な草花でした。50年ほど前まで、六呂師高原では、牛馬の飼料を得るための採草などによって草原が維持されていましたが、その後は機械による牧草の刈取りやレジャー施設の造成などの影響で、草原に生育するこれらの種は減少してしまったと考えられます。
そこで、自然保護センターでは、これらの種の系統を保存するとともに、来館者の皆様に六呂師高原の絶滅危惧種を手軽に知っていただくため、この絶滅危惧種の花壇を造成したというわけです。
また、オミナエシとキキョウは、万葉集に詠われた秋の七草(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、フジバカマ、オミナエシ、キキョウ)です。万葉集が詠われた頃には、身近に普通にあった草花であったことが、このことからもよくわかります。
さて、前置きが長くなりましたが、現在、キキョウの花はやや終盤を迎えつつありますが、オミナエシとマツムシソウの花は見頃です。
黄色い小さな花が集まった背高のっぽのオミナエシの花は、本館前の駐車場からもよく見えます。花壇に近づけば、小さな花が集まり半球状でクリのイガのようなめしべが目立ち、その周りには薄紫色の柔らかな花びらまとったオシャレなマツムシソウの花がちらほらと見えるはずです。
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キキョウのような大きな花は見ごたえがありますが、この小さな花たちのハーモニーも見事です。しかもそんな小さな花たちに誘われ、多様なチョウやハチなどの吸蜜昆虫が集まります。まさに「夏の昆虫レストラン」のご開店です。
吸蜜に来る昆虫たちは、どれもこれもまとった衣装とメイクの個性派ばかり!逃がさないように静かに近づき、じっくりと観察してみると、その顔と衣装の個性のすばらしさに感動です。
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特にお勧めは、ホウジャクガの仲間。驚異的なホバリング能力と超長い口吻を使って、小さな花を次々と移動しながら吸蜜する姿は、まさに日本のハチドリ!一度、ご覧になれば「ええええええーーー!」の嵐です。
でもいつもいませんから、少なくとも30分ぐらいじっとご来店をお待ちになってくだいね。
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