7月の天文情報

7月の主な天文現象

1日(水)

金星と木星が最接近。(23時16分金星が木星の南40°24′)

2日(木)

満月。半夏生(太陽の黄経が100°)

6日(月)

冥王星が衝。

7日(火)

七夕(特別観望会「七夕の夜」開催。19時30分より)。地球が遠日点を通過。

10日(金)

金星が最大光度(-4.5等)

13日(月)

(12日深夜)

アルデバラン食(おうし座の一等星アルデバランが月に隠されます。しかし、残念ながら福井県では接近する様子は見れますが食にはなりません。東京1時36分潜入→2時10分出現)

14日(火)

NASAの無人探査機ニューホライズンズ(New Horizons)が冥王星に最接近。

18日(土)

19日(日)

夕方の西の空で金星・木星・月・しし座の一等星レグルスなどが集まります。

19日の特別観望会「じっくり見てみよう(1)土星のふしぎ」でも観望します。

26日(日)

てんびん座Θ星(4.1等)の食。福井では21時半過ぎ潜入→22時50分ごろ出現)

27日(月)

準惑星ケレス(7.5等)が衝。やぎ座の西あたりにケレスがあります。7.5等なので双眼鏡があれば確認できます。やぎ座は24時過ぎに南中します。

7月の天体トピック

0701

7月1日(水)の金星と木星の最接近

7月も金星の周辺は話題がいっぱいです。

1日(水)には金星と木星が最接近します。その距離わずか0°24′となり、望遠鏡の同じ視野の中に―4等の金星と-2等の木星が輝きます。ぜひご覧ください。

10日(金)には宵の明星として夕方の空を飾っていた金星が最大光度となり、その輝きも-4.5等となります。望遠鏡で見ると細い三日月形と見えます。8月14日に内合に向けてどんどん細く大きく見えるようになります。内合後は夕方の空から姿を消し、夜明け前の東の空に明けの明星として輝くことになります。

18日(土)、19日(日)には、夕方の西の空で金星・木星・しし座の一等星レグルスに加えて、細めの月などが集まり、大変ににぎやかな空となります。また、その時パンスターズ彗星も西の低い空に来ているのですが、光度が低いために見えないかもしれません。

15-011a-NewHorizons-PlutoFlyby-ArtistConcept-14July2015-20150115

冥王星に向かうニューホライズンズ(想像図)

アメリカ航空宇宙局 (NASA)

7月は冥王星に関するニュースもいっぱいです。

6日には冥王星が19時31分にになります。衝とは地球から見て、その天体が太陽の真反対の位置に来ることです。つまり、太陽が沈んでから昇るまでの夜の間、ずっと空にあり、観察しやすくなっています。ただ、冥王星は光度が14.1度と暗く、観測するには口径の大きな望遠鏡が必要となります(極限等級を考えると最低でも口径30㎝以上が必要です)。また、冥王星の位置はいて座の星座絵の顔のあたりになりますが、そのあたりは天の川の中でもかなり明るく、星の多い位置になるので、冥王星を探すのは相当難しいと思われます。興味のある人はチャレンジしてみてください。

14日にはNASAの無人探査機ニューホライズンズ(New Horizons)冥王星に最接近します。ニューホライズンズは2006年に1月に打ち上げられましたが、それから10年以上をかけてやっと冥王星に最接近します。ニューホライズンズは様々な観測装置を用いて冥王星や衛星のカロンの探査を8月ごろまで行います。今年の夏は冥王星に関する新情報をニュースで目にすることがきっと多いだろうと思います。楽しみですね。

夏の星座・天体

夏の大三角

夏の大三角

夏の星座をさがす目印となるのは「夏の大三角」です。

夏の大三角は天の川を周辺にある3つの一等星、はくちょう座の「デネブ」、こと座の「ベガ」、わし座の「アルタイル」を結んだ三角形です。小学校の理科でも習う有名な星の並びですね。ぜひこの夏は六呂師高原で天の川と一緒に夏の大三角を見てみませんか。ちなみに夏の大三角のすぐ下には「いるか座」という星座もあります。

2010-0603 M13 4枚2 up

M13球状星団(ヘルクレス座)

M13は北半球の夏の夜空で最も明るく、目立つ球状星団です。ヘルクレス座の腰の位置にあります。M13には、約30万個の恒星が含まれると考えらえています。自然保護センターの80cm望遠鏡でみると、視野の中に納まりきらないほど大きく、視野いっぱいに星々の輝く大変に見ごたえのある天体です。

s2-2010-0603 M27 3re

M27アレイ状星雲(こぎつね座)

M27はその形が筋力トレーニングに使う鉄アレイに似ていることから、「アレイ状星雲」と呼ばれる惑星状星雲です。惑星状星雲とは、太陽くらいの質量の恒星が一生の終わりに大量のガスを放出し、その後中心に残った白色矮星の放つ強い紫外線によって、ガスが輝いて見えるものです。M27は惑星状星雲としては最も明るく、またかなり大きいので見つけやすいです。

6月15日 21時ごろの南の空(福井)

7S

6月15日 21時ごろの北の空(福井)

7N

(星図:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ

自然保護センターでは毎週土曜日の19:30~21:30の間に

週末天体観望会を開催しています(一般天体観望会は1・2月は休み)。80㎝の天体望遠鏡で、惑星、星雲、星団、銀河などを観察します。このページでご紹介した天体も観望していただけますので、是非ご来館くださいね。

 

 H27年度の過去の天文情報はこちらから