6月の天文情報

6月の主な天文現象

2日(火)月が土星に接近する(月が土星の北1°53’)

3日(水) 満月。木星の衛星食(ガニメデがエウロパを隠します。20時28分)
7日(日) 金星が東方最大離角(45°.4)
13日(土) 金星とプレセペ星団が接近
15日(月) 白昼の水星食(11時08分那覇。福井では接近するも食にはなりません・・・)
16日(火) 新月
22日(月) 夏至
25日(木) 水星が西方最大離角(22°.5)

6月の天体トピック

月と金星
月と金星

金星が6月7日に東方最大離角となります。そのため、金星は日没後の西の空の高い位置に輝くことになり、地平線に沈むのも遅い時間になり、じっくりと楽しむことができます。また、光度は-4.3等級となり、一等星の100倍以上の明るさとなります(1等級上がるとおよそ2.5倍明るくなります)。
 6月の金星周辺の空もなかなかにぎやかです。6月の第2週から3週にかけて、かに座の散開星団プレセペを通過します。最接近は13日になります。双眼鏡で観察すると、一つの視野の中に収まるかもしれませんね。また、木星の位置がどんどん西の空に下がって来ているので、6月の後半にはかなり金星と接近します(7月1日が最接近)。宵の明星とよばれる金星と夜中の明星と呼ばれる木星の美しい共演を楽しめますね。さらに19日から21日にかけては月齢の少ない月が近づいてくるので、金星周辺は大変ににぎやかなことになります。

土星
土星  夏が近づき、土星がとても観察しやすい時間に南の空に昇ってきています。
 望遠鏡で土星を見ると、左の写真のように大きな輪があることを確認できます。この環は幅が25万Km以上あるものの、厚さは数kmしかありません。また、この環は直径数m~数cmの大小さまざまな岩石や氷が集まってできています。幅は大変に広いのですが厚みがないために、見る角度によって大きく見え方が変わります。環を水平方向から見るとほとんど見えなくなってしまいます。この環の消失は土星の公転周期の半分である15年ごとに起こります。次の環の消失は2025年です。

 春の星座・天体

◎春は明るい星が少なく、大きな星座も多いため、星座が探しにくいと言われています。春の大曲線や春の大三角を見つけて、そこからいろい ろな星座を探していくと見つけやすいですよ。
 また、明るい星が少ないため、薄暗い天体を見つけるには良い季節です。星団や星雲、銀河などを探してみるのもおもしろいですよ。

 

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春の大曲線・春の大三角

春の星座をさがす目印となるのは「春の大曲線」と「春の大三角」です。
「春の大曲線」はおおぐま座の尾の部分からうしかい座の一等星アルクトゥールスを経て、おとめ座の一等星スピカにいたる曲線です。この曲線を見つけることから、春の 星座めぐりを始めることがおすすめです。
春の大三角」はアルクトゥールスとスピカを結び、さらにしし座のしっぽの先にある2等星デネボラを結んでできる三角形です。
 春の大曲線や春の大三角を見つけることができると、春の主要な星座の位置がわかり、その他の光の弱い星座も見つけやすくなります。是非挑戦してみてください。

 

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ふくろう星雲(M97)

 おおぐま座の後ろ足の付け根あたりに位置する惑星状星雲です。星雲の見た目がフクロウの顔に似ていることから「ふくろう星雲」と呼ばれています。直径が7.3光年あり、惑星状星雲の中では最大級のものです。
 惑星状星雲とは、太陽くらいの質量の恒星が一生の終わりに大量のガスを放出し、その後中心に残った白色矮星の放つ強い紫外線によって、ガスが輝いて見えるものです。惑星状星雲にはさまざまな色や形があり、とても美しいものですが、光が弱く肉眼では見ることができません。自然保護センターの80cm望遠鏡でぜひ確認してもらいたいです。

 

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りょうけん座M3(球状星団)

 りょうけん座にある球状星団です。双眼鏡で見ると光る雲のように見え、望遠鏡で見ると周辺部の星が分離して見えます。自然保護センターの80cm望遠鏡でみると、左の写真のように数万個の星が球状に集まって輝いて見えます。とても美しいですよ。
 球状星団の星は、その多くが年齢が100億歳以上の古い星からなり、銀河系誕生の初期にできた天体であると考えられています。

6月の星空

 

6月15日 21時ごろの南の空(福井)

6S

 

6月15日 21時ごろの北の空(福井)

6N

(星図:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ

 

 

自然保護センターでは毎週土曜日の19:30~21:30の間に週末天体観望会を開催しています(一般天体観望会は1・2月は休み)。80㎝の天体望遠鏡で、惑星、星雲、星団、銀河などを観察します。このページでご紹介した天体も観望していただけますので、是非ご来館くださいね。

 

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