11月の天文情報

11月の主な天文現象

3日(火)

下弦の月

金星と火星が接近

6日(金) おうし座流星群(南群)極大
12日(木) 新月
13日(金) おうし座流星群(北群)極大
18日(水)

しし座流星群極大(午後1時ごろ)

水星が外合

26日(木)

満月

アルデバラン食

11月の天体トピック

おうし座

 

おうし座流星群

(星座絵:ステラナビゲータ株式会社アストロアーツ

 

 

おうし座流星群(南群・北群)は11月上旬を中心に、10月末から11月中旬くらいまで活動する流星群です。放射点が2つあり、それぞれ南群・北群と呼ばれます。南群は6日(金)ごろ、北群は13日(金)ごろに極大になるとみられています。流星の元となるチリの発生源(母天体)は、太陽の周りを約3.3年の周期で公転するエンケ彗星です。ただ、流星群を形成するチリはかなり古い時期に放出されたもので、彗星の接近と流星数の増加はあまり関係がないようです。そのため、他の流星群と違って大きなピークはなく、長い期間にわたって1時間に数個の流星が見られます。また、明るくかがやく流星(火球)が多くみられるとの予想もあります。特に13日から14日は月が新月に近く、観望条件が良いので、暖かい服装で流星観望にチャレンジしてみてください。

 11月3日に開催された天文教室では、空が晴れ渡っており満天の星空が見られました。その際、おうし座を中心に3時間で十数個の流星を観察することができました。また、とても明るく大きい火球やその流星痕も見られました。

 しし座

 

しし座流星群

(星座絵:ステラナビゲータ株式会社アストロアーツ

 

 

しし座流星群は2001年に流星雨が観察され有名になった流星群ですが、最近は発生数が落ち着いてきています。母天体はテンペル・タットル彗星です。この彗星は公転周期である約33年ごとに流星の数が大きく増加するといわれています(次回の増加は2033~2035年と予想されています)。放射点はししの大鎌の中心あたりです。極大は18日の午後1時頃です。19日が上弦の月にあたり夜半には月が沈むため、18日・19日の夜半から夜明けまでが観望条件が良くなります。夜半以降は予想以上に冷え込むため、流星観察の際には十分な防寒対策が必要となります。

 IMG_1364

 

アルデバラン食

(図:国立天文台 天文情報センター)

 

26日(木)には満月がおうし座の一等星アルデバランを隠す「アルデバラン食」を観察することができます。月にアルデバランが隠れ始める「潜入」は17時過ぎ、月からアルデバランが現れる「出現」は18時過ぎになります。ただし、潜入を見ることのできるのは関東以北となるため、福井では「潜入」を見ることができません。また、「出現」はまだ空が少し明るい時間帯(薄明)であるため、観望には双眼鏡が必要になると思われます。月が高くなってからは、満月のすぐそばにアルデバランとヒアデス星団が見られますし、すぐ近くにはプレアデス星団(すばる)も見られるので、併せて観望されてはいかがでしょうか。

天体写真の紹介

★IMG_1618

こちらは10月16日の夕方に六呂師で撮影した写真です。夕暮れ時の赤く染まる空とだんだんと暗くなり行く空のグラデーションが美しいです。また、大野市の夜景、そして上空には三日月が美しく輝き、何とも言えない風情を感じますね。月に注目すると、月の影になている部分がぼんやり明るくなっており、月の丸い形が分かります。これは太陽の光が地球に反射し、その照り返しが月の影の部分を照らす現象で「地球照」といいます。また、月の少し左側に一つ星がありますが、これは土星です。土星というと望遠鏡を覗かないと見えないと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、実は0等級で輝く明るい天体です。今の時期には太陽と近い位置になっているため、肉眼で見ることは難しいです。

★IMG_1946

こちらは10月26日の明け方に大野市街地で撮影した写真です。9月から明け方の東の空に金星・木星・火星がそろっており、とても賑やかな空となっていますが、この日は金星と木星が大接近してわずか1度の距離にまで近づいていました。写真をクリックすると、金星・木星・火星が近い位置で輝いているのが確認できます。また地平線付近に水星も観察できました。

★IMG_2253

こちらは11月3日に開催された天文教室「スターチャレンジⅤ天体撮影に挑戦!(直焦点撮影)の際に観察棟周辺で撮影した写真です。当日は日中からずっと天気が良く、夜も雲一つない素晴らしい星空を見ることができました。観察棟のバックに秋の天の川を写真におさめることができました。

11月15日 21時ごろの南の空(福井)

11S

11月15日 21時ごろの北の空(福井)

11N

(星図:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ

 

自然保護センターでは毎週土曜日の19:00~21:00の間に週末天体観望会を開催しています(一般天体観望会は1・2月は休み)。80㎝の天体望遠鏡で、惑星、星雲、星団、銀河などを観察します。このページでご紹介した天体も観望していただけますので、是非ご来館くださいね。

 

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