9月の天文情報

9月の主な天文現象

1日(火) 海王星が衝(しょう)。
4日(金) 水星が東方最大離角となり、観望の好機です(日没後、西の空)。
11日(金) 明け方の東の空がにぎやか。明けの明星の金星や火星、新月前の月、木星、しし座の一等星レグルスなどが集まっており、とても見ごたえがあるはずです。
19日(土) 夕方の西の空がにぎやか。秋になり、夕方の西の空に見えている土星の近くに上限に近い月やさそり座のアンタレスが集まり、にぎやかな空になります。
22日(火) 金星が最大光度。明けの明星として東の空で輝く金星が―4.5等の最大光度に達します。10月の半ばに向けて高度も高く見やすくなっていきます。
27日(日) 中秋の名月。スーパームーン一日前の名月です。センターにて特別観望会を開催します。
28日(月)

スーパームーン(月が地球と最も近づいた位置で見える満月。普段より大きく明るい)。北米・南米・アフリカ西部などでは皆既月食(日本では見られません)。

9月の天体トピック

天王星
天王星
海王星
海王星

9月1日(火)には海王星が、10月12日(月)には天王星が衝(しょう)となります。衝とは天文用語で天体が地球から見て太陽の真反対の位置にあることです。そのため、夜間にずっとその天体を観察することができます。また、外惑星では地球に最も近づくため明るくなります。つまり観望の好機となります。天王星は衝の時、5.7等の明るさとなり、海王星は7.8等になります。ともに肉眼で見ることは難しいですが、双眼鏡を使えば確認できます。

望遠鏡で見ると、左の写真のように両惑星とも青みがかって見えます。これは惑星の最も外側にあるガスの層(主成分は水素)がメタンを含んでおり、そのメタンが赤い光を吸収するため、青く見えます。海王星のほうが青みが強いのはメタンの量が多いためです。

太陽から地球までの距離は約1億5000万kmですが、太陽から天王星までの距離は約20倍、海王星までは約30倍あります。非常に遠くにあり肉眼でも見えにくいため縁遠い2つの惑星ですが、この初秋にともに見ごろになります。この機会にぜひセンターの巨大望遠鏡で観望してみませんか。

★特別観望会「シルバーウィークの夜―月・天王星・海王星をみよう-」

★週末天体観望会(毎週土曜)

 イメージ③

9月27日は中秋の名月。28日はスーパームーンです。

中秋の名月は「旧暦(太陽太陰暦)の秋の真ん中の名月」ということです。旧暦で秋は7・8・9月なのでその真ん中の8月15日にお月見をするのが中秋の名月です。新暦(太陽暦)と旧暦は毎年日がずれていくので、今年の中秋は新暦の9月27日になります。ややこしいですね。

 また、中秋の名月は必ずしも満月になるわけではありません。これは月の公転軌道が楕円であるため、満月になる月齢が一定はないからです(13.9日~15.6日で変動)。これにより今年の中秋の名月は満月の一日前の月となります。

 スーパームーンとは、月が地球に最も近づいた時に見える満月(新月)のことです。上記のように月の公転軌道は楕円であるため、地球から月までの距離は356,000~406,000kmの間で変化します。この距離が近いときに満月を迎えるとスーパームーンとなり、普段より大きく、明るい月になります。2014年は1年に3回もスーパームーンとなりましたが、今年は9月28日の1回だけです。ちなみに2016年は11月14日です。

9月の終わりには、例年以上に月を楽しむことができそうですね。

★特別観望会「中秋の名月」

秋の天体

ペガスス 秋の星座をさがす目印になるのが、「ペガスス座」です。ペガスス座の胴体を形作る4個の星は「秋の大四辺形」と呼ばれています。大四辺形の西(右)の辺を南に伸ばすと南のうお座のフォーマルハウト(1等星)にぶつかります。北に伸ばすと、ケフェウス座北極星にぶつかります。東(左の辺を南に伸ばすとくじら座のデネブ・カイトス(2等星)にぶつかります。北に伸ばすとカシオペア座北極星にぶつかります。また大四辺形の北東(左上)の星からA の字の形に星が並ぶのがアンドロメダ座です。
アンドロメダ大銀河
アンドロメダ大銀河

M31 アンドロメダ大銀河とM32(中央下の銀河)

M31アンドロメダ大銀河は4.8等級と明るく肉眼でも見ることのできます。地球からの距離も230万光年と最も近い銀河の一つです。銀河鉄道999でも登場した有名な天体ですね。

このM31と私たちの銀河系は時速50万kmで接近しており、約30億年後には衝突すると考えられています。

アルマク(アンドロメダ座)
アルマク(アンドロメダ座)

アンドロメダ座のγ(ガンマ)星 アルマク

アンドロメダの左足に輝く、色の対比が美しい二重星です。

9月15日 21時ごろの南の空(福井)

9S

9月15日 21時ごろの北の空(福井)

9N

(星図:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ

自然保護センターでは毎週土曜日の19:30~21:30の間に週末天体観望会を開催しています(一般天体観望会は1・2月は休み)。80㎝の天体望遠鏡で、惑星、星雲、星団、銀河などを観察します。このページでご紹介した天体も観望していただけますので、是非ご来館くださいね。

 

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