今年も野鳥でにぎわうカスミザクラの木(平成30年5月31日)
じめっとした天気が続き、すでに梅雨のような5月終わりの六呂師高原。
事務室で仕事をしてると、外から「キキコーキー」「キーコーキー」とイカルの悠長なさえずりが聞こえてきました。
本館ベランダから20m程離れたカスミザクラの木を見てみると、赤い実がたわわに実っています。
赤黒く熟し始めたサクランボを狙って5、6羽のイカルたちがどこからともなくやってきました。
双眼鏡で観察すると、ペンチのようなくちばしで器用に果肉をそぎ、種子を割って中身だけを食べる様子がよくわかります。
くちばしで器用に果肉を取り除いて食べています | 木の下には果皮と種皮が捨てられていました |
サクランボの果肉に目もくれず種子だけを食べるなんて、変わりモノだと思ってしまいますが、そうでもありません。
私たちもアーモンドの種やアンズの種(杏仁豆腐の原料)など、サクラ属の種子を好んで食べます。
種子は甘くはないですが、果肉より高カロリーです。
さて、観察していると、時折、くちばしを交わす行動が見られました。このクチバシkissは何のための行動なのでしょうか?
クチバシkissを盗撮してしまいました |
カスミザクラのサクランボを食べる鳥はイカルだけではありません。ヒヨドリたちもやってきました。
ヒヨドリたちは騒がしくまくし立ててイカルを追い払います。
ヒヨドリのお食事の仕方はイカルとは異なり、サクランボをひょいっと丸呑みにしてしまいます。
そして、果肉だけを消化して糞として種子を300m以上散布する優秀な種子散布者です。
イカルを追い払ったヒヨドリ |
サクランボを丸呑みにしようとするヒヨドリ (ブレブレの写真ですが悪しからず…) |
カスミザクラからすると、イカルを追い払い、わが子を遠くに運んでくれるヒヨドリは正義のヒーローといったところでしょうか。
まだまだサクランボは実っていますので、来週までは観察できそうです。室内から観察できるので、ぜひお越しください。
私が使ったレンズは、カビだらけでうまく撮影できませんでしたが、望遠レンズをお持ちの方は撮影にもチャレンジしてみてください。
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