7月15日~17日の自然情報

今見ごろな湿原の夏の花々

 7月も中旬に入り、六呂師高原でも一気に気温が高くなりました。まだ梅雨時ですので湿度も高く、ジトジトしていますが、流石は高原です。時おり、涼しい風が吹き抜け爽やかな気分にさせてくれます。平野部より2~3度は気温が低いので、避暑にもおすすめです。

 さて、そんな六呂師高原ですが、少し開花が遅れていた夏の湿原の花々がようやく見ごろを迎えようとしていますのでご紹介します。

 

【池ヶ原湿原】

 木道を入っていくと、緑のヨシ原の中に白いミズチドリの花を次々に見つけることができます。今が満開の状態で、花穂には鳥がはばたいたような小さな花がびっしりとついています。

 

池ヶ原湿原の入り口にある芝生広場から右側の木道を入ったところ。ミズチドリの白い花がポツポツと見つかります。
満開のミズチドリ。

 

メタカラコウが咲きはじめました。花穂の下の方から黄色い花が開いています。メタカラコウは池ヶ原湿原の多くの場所で見られます。近づいてよく見ると、面白い花の形をしています。

咲きはじめのメタカラコウ。下の方についている花だけが開いています。
メタカラコウの花のアップ。よく見ると面白い形です。

 

ノカンゾウも咲きはじめました。写真の撮影時(7月11日)には1株だけが咲いていましたが、週末にはもう少し咲いているかもしれません。緑の湿原にオレンジの花が鮮やかで、たいへん目立ちます。

開花第1号のノカンゾウ。
ノカンゾウは上に向かって花を開かせます。

 

カキランのつぼみがようやく膨らみ、うすいオレンジ色の花弁が見え始めました。池ヶ原湿原全体では数百株が生育しており、週末には木道沿いでもいくつか確認することができると思います。

カキラン。つぼみが膨らみ、花を確認できたのはまだこの1株だけでした。
写真中央のカキランの花は開きはじめているようです。

 

【妻平湿原】

 妻平湿原でも様々な花が開花を迎えていますので、ご紹介します。

まずはノリウツギです。白い花が枝からいっぱいに咲き誇っています。

満開のノリウツギ
花弁のように見える白くて大きなものは装飾花の萼片で雄しべや雌しべはありません。小さく丸い数がいっぱいあるものが両性花で、雄しべや雌しべがあります。

 

木道沿いのヨシ原にはコムラサキや絶滅危惧種のクサレダマも咲いています。

木道沿いのクサレダマ
鮮やかな黄色の花が満開です。
コムラサキ。紫色の花に、黄色の雄しべがおしゃれです。秋には小さな紫色の実がたくさんなります。

 

湿原のヨシ原の中で、ひっそりと咲く花々を探すと、まるで宝探しをしているような気分になります。この時期にしか見ることのできない湿原の花々に出会いにいらっしゃいませんか。