10月7日~10月9日の自然情報

【ギフチョウやオオムラサキ、ゴマダラチョウの観察ができる森を目指して】

 10月6日(金)に自然観察の森で作業を行いました。目的は題名の通り、ギフチョウ・オオムラサキ・ゴマダラチョウなどを観察できる環境に自然観察の森を整備するためです。

 

神明山の山頂付近の広場で草刈りを行いました。

 

 まず、神明山の山頂付近の広場で草刈りを行いました。この辺りにはカタクリやウスバサイシン、カンアオイが生育しています。草刈りを行うことでそれぞれの群落が大きくなることが期待できます。これらの植物はどれもギフチョウと関わりがあります。カタクリの花にギフチョウの成虫が吸蜜に訪れることが知られています。また、ウスバサイシンやカンアオイは幼虫の食草となるので、産卵の際、これらの葉に卵が産み付けられます。つまり、これらの植物の群落が広がれば、より多くのギフチョウが神明山を訪れ、観察できる機会が増えることになります。来年以降の春が楽しみですね。

 なお、このような活動は福井県自然観察指導員の会の会員のみなさんにより2009年から神明山の保全活動として継続して行われてきました。今後も、センター職員やご協力いただける指導員の会会員のみなさまにより継続していく予定です。

 

ギフチョウの産卵
ギフチョウの卵

 

 せせらぎの小径から馬取池へと向かう道沿いにあるエノキの下草刈りを行いました。この辺りはササ藪で昨年も草刈りを行いましたが、今年もササが茂っています(昨年よりは数は減りました)。刈払機で刈り取った後、ササを取り除き、エノキの根元まで入りやすくしました。

 

エノキの周りにササが茂っています。
刈払機で刈った後、笹を取り除きます。

 

 エノキの葉はオオムラサキやゴマダラチョウの幼虫の食草となります。そのため産卵の際にエノキの葉に卵を産みます。孵化した幼虫はエノキの葉を食べてどんどん大きくなり、冬が近づいてくると、幼虫たちはエノキの根元におり、落ち葉に張り付いて冬を越します。春になると、再びエノキの木を登り、さらに成長を続け、さなぎとなり、成虫となります。今回の作業でエノキの周囲の草を刈り取ることにより、根元の枯葉で越冬中の幼虫を観察しやすくなりました。