8月の天文情報

8月の主な天文現象

8日(土) 立秋(太陽黄経135°)
12日(水)

・はくちょう座χ(カイ)星が極大光度(4等級)

・自然保護センターにて天文教室「ペルセウス座流星群をみよう」開催21:00~24:00(要申込み)

13日(木) ペルセウス座流星群極大(15時)
14日(金)

・新月

・金星が内合(太陽-金星-地球と一直線に並ぶこと)この日以前では金星は夕方の西の空で「宵の明星」として輝き、以後では明け方の東の空で「明けの明星」として輝きます。

・自然保護センターにて特別観望会「お盆には星を…」開催19:30~21:30(申込み不要・無料)

17日(月) 土星が東矩(夕方に土星が南中する位置になること)

22日(土)

23日(日)

土星・月・アンタレスの接近。さそり座や土星の近くを月齢7~8の月が通過します。

土星周辺がにぎやかになります。

27日(木) いて座ρ(ロー)1星の食。3.9等級のρ1星が月齢12の大きな月に隠れます。ρ1が比較的明るいので、双眼鏡でも観察できます。潜入は午前0時半ごろ、出現は午前1時半ごろになります。

8月の天体トピック

 

 

 

 

 

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ペルセウス座流星群

 

 毎年夏休み恒例のペルセウス座流星群が今年もやって来ます。今年は8月13日の15時ごろが極大で流星の数がピークを迎えると予想されています。でも、15時は日中なので流星は見えません。そこで12日の夜半から13日の未明にかけて、もしくは13日の夜半から14日の未明にかけて観測するのが良いでしょう。今年は新月が近いため、月光が無く最高の観測条件となります。最も多いときで、1時間当たり30個以上の流星を見ることができるかもしれません。

 ペルセウス座流星群の輻射点は左の写真の赤丸の位置です。このあたりから流星が放射状に広がっていきます。ただ、この方向を見ていれば流星がたくさん見えるということではなく、流星は夜空のどこにでも同じように現れます。輻射点の方向にこだわらず、できるだけ空の広い範囲を見渡す方が流星を確認できる可能性が高まります。なお、輻射点近くの流星は軌跡が短くなり、離れたところの流星は流星の軌跡が長くなります。

 空を広く見渡せる、暗い場所で、レジャーシートなどを敷いて、寝っ転がって流星観望を楽しんでください。夏とはいえ夜は冷えますので、上着を持っていくといいですよ。

夏の天体

 

アルビレオ

はくちょう座β星アルビレオ

 はくちょう座のくちばしに位置するβ(ベータ)星アルビレオ。肉眼で見ると1つの星のように見えます。3.1等級の明るさなのでそれほど目立つ星でもありません。

 しかし、望遠鏡で見ると左の写真のように2つの星に分離し、β星A(3.1等級)は金色のトパーズ、β星Bは青色のサファイアに例えられる「天上の宝石」といわれる天体です。背景に天の川があり、全天で最も美しい二重星ともいわれます。

観望会でも大変人気のある天体で、見ていただくとほとんどのお客様に感動していただけます。ぜひ、夏の間にご覧になっていただきたいです。

 

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M57リング星雲(こと座)

 M57はその姿からリング星雲ドーナツ星雲ともいいわれる夏の代表的な惑星状星雲です。惑星状星雲とは、太陽くらいの質量の恒星が一生の終わりに大量のガスを放出し、その後中心に残った白色矮星の放つ強い紫外線によって、ガスが輝いて見えるものです。また、このガスはやがて集まり惑星になると考えられますが、近くに恒星がないために、漆黒の宇宙をさまよう天体となります。

 

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(左)M8干潟星雲(右)M20三裂星雲

(いて座)

 左の写真はともに散光星雲と呼ばれるものです。散光星雲は宇宙空間の広い範囲に広がったガスや宇宙塵のまとまりが発光したり、光を反射したりして観測されたものです。

いて座には小口径の望遠鏡で確認できる代表的な散光星雲が3つあります(M8干潟星雲、M17オメガ星雲、M20三裂星雲)。これらはいずれも手前に散開星団を伴っていて、新しい星が誕生している領域だと考えられています。M8とM20は近い方角にあるため、この写真のように一つの望遠鏡の視野に納まります。

8月15日 21時ごろの南の空(福井)

8S

8月15日 21時ごろの北の空(福井)

8N

(星図:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ

自然保護センターでは毎週土曜日の19:30~21:30の間に週末天体観望会を開催しています(一般天体観望会は1・2月は休み)。80㎝の天体望遠鏡で、惑星、星雲、星団、銀河などを観察します。このページでご紹介した天体も観望していただけますので、是非ご来館くださいね。

 

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