1月の天文情報

1月の主な天文現象

4日(月)

しぶんぎ座流星群が極大(17時ごろ)

7日(木)

明け方の東天で月と金星と土星が接近

9日(土)

明け方の東天で金星と土星が接近

10日(日)

新月

14日(木)

水星が内合

17日(日)

カタリーナ彗星とM101銀河が接近

24日(日)

満月

1月の天文トピック

しぶんぎ座流星群

提供:国立天文台 天文情報センター
提供:国立天文台 天文情報センター

 3大流星群の一つ「しぶんぎ座流星群」が1月4日(月)17時ごろに極大になると予想されています。しぶんぎ(四分儀)座は今は使われていない星座ですが、上の図のようにりゅう座とうしかい座の間に放射点があり、ここを中心として流星が四方八方にとびだしていくように見えます。この流星群は流星の出現数が年によってばらつきがあり、どれくらい流れるのかが予想しづらい流星群でもあります。

今回のしぶんぎ座流星群は極大の時間が17時と早いこと、また、月齢が24で夜半過ぎに月が現れることから条件が良いわけではありませんが、お天気が良ければ観望に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

時期:1月1日~7日ごろ

見ごろ:①1月4日深夜~5日夜明け(月の出5日2:14)

    ②1月3日深夜~4日夜明け(月の出4日1:20)

月齢:24(夜半から月が出るまでが流星が見やすいです)

観察のポイント 

・暗くて広く空を見渡せる場所で観察しましょう。

・見る方角はどちらでも同様に流星が出現します。

 (放射点にこだわる必要はありません)

・望遠鏡や双眼鏡は必要ありません。肉眼が最適です。

・冬の夜間です。防寒対策は十分に。暖かい飲み物も用意しましょう。

・レジャーシートやイスなどを用意してゆったりと観察しましょう。

明け方の東天で金星・土星・月が接近

提供:国立天文台 天文情報センター
提供:国立天文台 天文情報センター

1月7日(木)の夜明け前の東天では、月(月齢26)金星(-4.0等)土星(0.4等)が接近します。

 また、1月9日の夜明け前の東天では金星(-4.0等)土星(0.4等)が大接近して、月の直径の六分の一程度まで近づきます。新春の明け方に、明るい星たちの競演を楽しまれてはいかがでしょうか。

カタリナ彗星

撮影:オヤット天文クラブ 橋本 恒夫氏
撮影:オヤット天文クラブ 橋本 恒夫氏

 昨年12月ごろから4~5等級の明るさで観測されているカタリナ彗星1月にも見ることができます。1月前半はうしかい座のアルクトゥールスのあたりからおおぐま座のη星のあたりを通過していきます。1月17日にはおおぐま座の渦巻き銀河M101に大接近します。肉眼では見ることができませんが、双眼鏡や望遠鏡でなら楽しむことができます。

 なお、上の写真はセンターの天文事業にいつも協力いただいている天文リーダーの橋本さんが12月20日に撮影されたカタリナ彗星の写真です。写真では彗星の尾が2つ見えていますが、右下の曲線状の尾はダストテイルと呼ばれ、チリや金属から構成されています。上方に伸びる尾はイオンテイルと呼ばれ、イオン化されたガスで構成されています。

1月の星座・天体

冬の大三角

冬の大三角(星座絵:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ)
冬の大三角(星座絵:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ)

 冬の夜空には1等星が7つもあり、一年で最もきらびやかで明るい星空を楽しむことができます。その星空の中で星座をさがす目印となるのが「冬の大三角」です。冬の大三角はオリオン座の右肩の星「ベテルギウス(0.4等級)」とおおいぬ座の「シリウス(-1.4等級)」、そしてこいぬ座の「プロキオン(0.4等級)」を線で結んだものです。そのほかの冬の代表的な星座にはふたご座やぎょしゃ座、おうし座などがあり、みなこの冬の大三角の周辺に位置しています。

 センターでは1月~2月には「冬の星空ガイド」(本館にて)、3月以降はプラネタリウム(観察棟にて)で星空の解説をしていますので、ぜひ冬の星座の探し方を聞きにいらしてくださいね。

M42オリオン大星雲

M42 オリオン大星雲
M42 オリオン大星雲

 M42オリオン大星雲はオリオン座の腰の位置にある三ッ星の下にある「小三ッ星」の中央に広がる巨大な散光星雲です。最も明るい散光星雲のひとつで肉眼でも確認することができます。望遠鏡で見ると、上の写真のように鳥が飛んでいるように見えますが、オリオン大星雲は鳥の胴体や羽にあたる部分で、頭に当たる部分はM43散光星雲と呼ばれる別の天体です。なお、望遠鏡を目でのぞいた場合には、光量が不足するため写真のように色付きで見ることは難しいです。

 オリオン大星雲は星が生み出される場所としてよく知られています。望遠鏡で見ると、その中心部にはトラペジウム(台形の意)と呼ばれる4つの明るく若い星を見ることができます。実際には数百もの若い星があり、それらが周囲のガスを照らしだし、オリオン大星雲を明るく見せていると考えられています。

馬頭星雲とIC434散光星雲

馬頭星雲とIC434散光星雲
馬頭星雲とIC434散光星雲

 オリオン座の腰の位置にある三ッ星の一番東側の星(ζ星)の周囲に馬頭星雲IC434散光星雲があります。赤く光るIC434の手前に馬の頭部のような形の暗黒星雲があり、これを馬頭星雲と呼んでいます。馬頭星雲を形成しているのは濃く冷たいガスと塵の雲で、この部分が光をさえぎることで馬のシルエットが浮かび上がっています。このあたりも星が生み出される場所だと考えられています。

天体写真の紹介

 12月15日の午前3時に極大をむかえたふたご座流星群。当日は冬の日本海側としては珍しく晴れ間が見られ、多少の雲がありながらも流星群を観察することができました。ここでは天文リーダーの橋本さんが撮影したふたご座流星群の写真をご紹介します。

撮影:オヤット天文クラブ 橋本 恒夫氏
撮影:オヤット天文クラブ 橋本 恒夫氏

 まずはこの写真です。

写真の左上から右下へと冬の天の川がきれいにおさめられています。写真の中に、いくつの流星が確認できますか?流星探しにチャレンジしてみてください。

(写真をクリックすると大きく表示されます)

 

答えはこちらです。

 

この写真は流星が写っている複数の写真を合成したものです。たくさんの流星を一枚の写真にまとめると、ふたご座のα星カストル付近の放射点から流星が流れ出ていく様子がよく分かり、おもしろいですね。

1月15日 21時ごろの南の空(福井)

星座絵:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ
星座絵:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ

1月15日 21時ごろの北の空(福井)

星座絵:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ
星座絵:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ

 

自然保護センターでは3月からの毎週土曜日の19:00~21:00の間に週末天体観望会を開催しています(一般天体観望会は1・2月は休み)。80㎝の天体望遠鏡で、惑星、星雲、星団、銀河などを観察します。このページでご紹介した天体も観望していただけますので、是非ご来館くださいね。

 

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