「生きもの情報」カテゴリーアーカイブ
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2016.01.17
1月初旬の開店当初、暖冬による積雪なしという状況から、なかなか野鳥の訪問がなかった冬の野鳥レストランですが、ここ数日の降雪により、六呂師高原にはかなり雪が積もりました(1月15日付で58㎝の積雪)。それに伴い、野鳥レストランは少しずつにぎやかになってきています。
この「冬の野鳥レストランニュース」では、エサ台を訪れた野鳥やけものたちの情報などを随時お知らせしていく予定です。
【冬の野鳥レストラン来客名簿】 今年の初来店の野鳥は赤字
野鳥名の後の数字は同時に訪れた個体数(最も多いとき)
1月16日(土) コゲラ2 シジュウカラ3、アカゲラ1、ヤマガラ2、ヒヨドリ1、コガラ1、エナガ1、ゴジュウカラ1
1月15日(金) コゲラ1 シジュウカラ4、アカゲラ1、ヤマガラ1、ヒヨドリ1、シメ1、コガラ1 1月14日(木) コゲラ2、シジュウカラ3、アカゲラ1、ヤマガラ1 1月11日(土) コゲラ2、シジュウカラ1、アカゲラ1 1月10日(日) コゲラ2、シジュウカラ1 1月9日(土) コゲラ2、シジュウカラ1、アカゲラ1 1月8日(金) コゲラ1 -
2015.10.23
六呂師高原の奥にそびえる経ヶ岳は錦に染まり、日に日に自然保護センター周辺にも秋が下りてきています。
実りの秋ということで多くの植物が実をつけてきましたが、まだ花を楽しめる植物もたくさんあります。
今日は花も実も面白いツリフネソウを観察してみましょう。
六呂師高原では花は終盤となり、実をつけた個体をたくさん見られるようになりました。
こちらは花と実を一緒につけた個体です。
花が釣り船に似ていることが名前の由来と言われてもピンときませんが、何とも面白い形をしていますね。この独特の形には深い意味があります。
ツリフネソウの蜜は、先細りのクルンと巻いた部分(写真の花の左側)にあるので、奥まで潜り込めるマルハナバチ類や口吻の長いオオスカシバ、ホシホウジャクなど限られた昆虫のみが蜜を吸えます。
こうした訪花昆虫は蜜を吸っている間に、花の内部上面にある雄しべに体が触れて確実に花粉を身にまとうことになります。
この仕組みのおかげでツリフネソウは、特定の昆虫により同種の花に確実に花粉を運んでもらい受粉を手伝ってもらえるわけです。
そしてマルハナバチなど限られた昆虫にとっては、ツリフネソウは蜜を独占できるありがたい存在なのです。
この様な昆虫と植物の両者に都合の良い、云わばウィンウィンの花の形ができるまでには、植物と昆虫の長い進化の共同作業(共進化)の歴史があると言われています。
講釈が長くなってしまいました。
さて、実は何が面白いのかは、連続写真をご覧いただくだけでお分かりいただけるはずです。
こうやって実を…
指で挟むと…
パチン!!
ん!!?
消えました!!
ツリフネソウは、実が開く際に、ねじれの力を一気に開放して遠くに種を散布することができるのです。
熟した果実は指で挟まなくても少し刺激を与えただけで炸裂し、目にもとまらぬ速度で種子を飛び散らせます。
飛び散った種が別の実に当たると連鎖反応で一度にたくさんの実が破裂したりもします。
はじめて体験すると病みつきになってそこらじゅうの実を触ってしまいます。ぜひ体験してみてください!
そしてきっとまんまとツリフネソウの思うつぼになってしまうことでしょう。
受粉方法にしろ、種子散布方法にしろ、何とも世渡り上手な植物ですね。
文責:国永
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2015.10.16
自然保護センター周辺の森にヒタキ科の「ノビタキ」が訪れています。
上の写真のように、秋に見られるノビタキは雌雄ともに褐色の冬羽です。とても秋らしい色合いですね。一方で、夏羽のオスは頭部や背中、翼、尾が黒く、腹部が白いので、まるでタキシードを着ているような装いです。繁殖期におしゃれをしてメスを誘っているようで、おもしろいですね。下の写真は実がいっぱいのクマノミズキにとまるノビタキの様子です。
上の写真は、オスのキジの群れです。六呂師高原のいろいろな場所で目撃されています。3羽そろっていることが多いので、仲のよい兄弟のようですが、非繁殖期のキジはオス同士、メス同士の群れで生活することが多いので、兄弟かどうかは分かりません。ただ、3羽もそろって歩いている姿は、なんともユーモラスで可愛らしいので、思わず写真を撮ってしまいました。
ぜひこの機会にノビタキやキジに会いに来ませんか。写真を撮影した詳しい場所は、センター職員にお尋ねください。
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2015.10.12
ヒタキ科のノゴマが六呂師高原の林で見られています。
ノゴマは夏の間に中国やロシア、北海道などで繁殖し、冬になると東南アジアに渡り、越冬します。その渡りの途中で六呂師高原に滞在しているようです。きっと、秋の木々のおいしい実を食べに来たのでしょうね。写真を撮影しているときはクマノミズキの実を食べていました。
下の写真のように、ノゴマのオスは喉に赤い斑紋が入るのが特徴です。とても鮮やかな色が目を引きます。また、オスのさえずりがきれいなことでも有名ですが、これは繁殖期でないと聞くことはできません。
渡りの途中の春と秋のわずかな時期にしか見ることのできない野鳥です。ぜひこの機会にノゴマに会いに来ませんか。写真を撮影した詳しい場所は、センター職員にお尋ねください。
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2015.08.06
現在、自然保護センターの自然観察の森に自生と考えられるキキョウが10株ほど花を付けています。
今回は今が見ごろのキキョウの花の生態について紹介します。
この写真では2輪の花が咲いていますが、成熟しているのは右の花だけです。さて、左と右の花で何が違うでしょうか?
よく見ると右の花は雄しべが開きハナバチが訪れていますが、左の花は雄しべが真ん中にある雌しべにぴたっとくっつきまだ花粉を出していません。
では次の写真ではどうでしょうか?
この写真でもやはり2輪の花が咲いていますが、左下の花は未熟で成熟しているのは右の花だけです。
けれど成熟している花も写真1枚目の成熟した花とは様子が違います。
こちらは同じ段階の花の写真をアップしたものです。よく見てみると、雄しべは干からびていますが、真ん中の雌しべが5つに裂けています。
このようにキキョウの花は、
①花びらが開く…未熟な状態
②雄しべが開く…送粉できる状態
③雌しべが開く…受粉できる状態
という3段階の開花を行うのです。この仕組みを雄性先熟と言います。
しかも、同じ株の中に②と③の段階の花が同時に存在しないように開花のタイミングをずらし、自家受粉を避けているのです。
このシステムにより、ほかの株と交配し多様な遺伝子を残すことができるのです。
そしてこちらが散った花です。無事受粉していれば、この後どんどん膨らんでいくことでしょう。
センターのキキョウはまだたくさんのつぼみがついているので、しばらくは花が楽しめそうです。
ぜひ来館の際はキキョウの花をご覧ください。詳しい場所はセンター職員にお尋ねください。
ところでキキョウと言えば、その名前を聞くとすぐ花の姿が浮かぶ日本人には身近な植物のひとつではないでしょうか。
ですが意外なことに今絶滅が心配されています(環境省レッドデータリスト絶滅危惧Ⅱ類)。確かに庭先では見かけても、自然に生えているものを見かけることはめったにありません。
明るい環境を好むキキョウは、田畑の畦やカヤ場など、人手が適度に加わることで維持される里地里山の草原(半自然草原)で生活する植物です。
我々の生活様式の変化に伴い半自然草原が減ったことに加え、乱獲が減少の要因であるとされています。
キキョウのような里山の絶滅危惧種についても今後この場で少しずつ紹介していこうと思います。
文責:国永
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2015.05.17
妻平湿原にて
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2015.04.17
大雪のため、センター周辺では春の訪れが少し遅かったようですが、
雪解けとともに春の妖精たちが姿を見せてくれました。