「生きもの情報」カテゴリーアーカイブ
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2017.04.14
残雪がたくさん残っていた六呂師高原にも、明るく暖かい春がやってきました。
春のお花の季節到来です。これからはお日様の暖かい日差しを浴びて輝く、かわいく美しい花の季節です。
1年で最も心温まる生き物の息吹に出会えます。
お天気の良い日には、ぷらーと、自然観察の森を散策してみてはいかがでしょうか。 -
2017.04.02
3月30日現在の自然保護センターの積雪は約40cm。少しずつ雪のない場所が増えつつあります。雪がなくなった斜面には、カシラダカ、ホオジロ、ベニマシコといった小鳥たちが種子や木の芽を食べに来ています。そんな中、一際大きな鳥が青葉を食べていました。
ヤマドリです。ようやく地面が出た場所に集まるようで、オス1羽、メス3羽を見つけることができました。厳しい冬を乗り越え、彼らが待ちに待った春がやってきたのです。
しかし一方で、自然保護センター本館の屋根雪がたまった場所では、まだ2階のベランダにまで届きそうなほど雪が残っています。
まるでアルプスの山を見ているようです。さすが、標高550mの六呂師高原です。
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2017.02.02
★ヤマガラはどうやってヒマワリの種を食べているの?★
いつも冬の野鳥レストランの一番近いエサ台までヒマワリの種を取りに来てくれるヤマガラ君。気に入ったヒマワリの種をくわえると、遠くの木の枝や茂みへ飛び去ってしまうことが多いです。そのため、どのようにヒマワリの種を食べているのかよく分かりません。丸呑みしてしまうのでしょうか。
運がいいと、ヤマガラ君が目の前のエサ台で、ヒマワリの種を食べることがあります。今回はその様子を写真に収めることができましたので、どのようにヤマガラ君がヒマワリの種を食べるのかをお知らせします。 -
2017.01.26
★大迫力!オオアカゲラの木つつき★
今年の冬の野鳥レストランがオープンしてから、これまでにオスのオオアカゲラがエサ台の近くまで来ることはなかったので、残念に思われた方もいらっしゃると思います。
みなさん、お待たせしました!待望のオオアカゲラ(オス)がやっとエサ台近くの立木までやってくるようになりました。1月24日、25日と二日続けて近くまで来ているので、今後もたびたび来訪してくれるかもしれません。
先日は動画でオオアカゲラのメスが木をつつく様子を紹介しましたが、今回は1月24日に訪れたオオアカゲラ(オス)の大迫力のつつきの様子を写真でお伝えします。 -
2017.01.25
★目の前2mの距離で野生のリスを見れます!★
これまでもたびたび冬の野鳥レストランを訪れていたニホンリス君。最近、エサ台周辺にクルミがたくさん置いてあることに気づいたのか、だんだんと近くまで寄ってくるようになりました。ここ数日は毎朝、目の前2mのエサ台でクルミ探しをしています。
野生のリスを2mの距離で見ることは相当難しいので、ぜひこの機会にかわいいリスに出会いにいらっしゃいませんか。リスがクルミを探し、食べる様子が観察されたのは、9時ごろまでが多いです。そこで、かわいらしいリスの行動をご覧になりたい方のために、通常は9時開館のところをリスが見られる期間は特別に8:30から入館していただけるように致します。
もちろん、その他にもたくさんのかわいい野鳥たちがみなさんをお待ちしています。
(写真は1月25日の朝に撮影したものです。お楽しみください) -
2016.06.23
ヨツボシトンボやシオヤトンボといった初夏に湿原を賑わせたトンボたちが少なくなり、最近(6月22日現在)の妻平湿原は、梅雨のトンボの数が増えてきています。
最も多いのはモートンイトトンボ。イトトンボの中でもさらに細くて小さな種ですが、その色合いは見事です。じっくりと湿原内に目を凝らすと見えてきます。
さらに、このモートンイトトンボより体長が短い日本最小のトンボ、ハッチョウトンボも見つけました。たった1頭しかしませんでしたが、真っ赤な体はよく目立ちます。このハッチョウトンボは、かつて六呂師高原のトンボの代表種でしたが、1970年代に六呂師高原から消え、昨年再発見されるまで実に40年近く、六呂師高原から絶滅状態にありました。
ところが湿原のヨシを刈り払い、ハッチョウトンボが好む背丈の低い湿地を再生したことから、戻ってきたようです。あんな小さなトンボが、いったいどこから飛んできたのか?小さな体で遠距離旅行をする生命力に驚かされます。
梅雨の妻平湿原のトンボたちをご覧になりたい方は、本館受付で見つけ方のレクチャーを受けるか、四季の自然観察シリーズへのご参加をお勧めいたします。
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2016.06.18
梅雨になり、自然観察の森では夏の花が次々と咲いていますが、早春に咲いた植物の中には、実が熟し始めたものがあります。特に今、よく目立つのはクワとサクラの実です。
自然保護センター本館の横にある芝生広場の一角には、大きなカスミザクラの木があり、たくさんの実が付いています。これに引き寄せられて、夏の野鳥レストラン「開店」です。
よく見られるのはイカル、そしてヒヨドリ、その他キツツキの声を聴いた職員もいます。このサクラは、ちょうど、本館ベランダから真横に見え、イカルやヒヨドリが次々とさくらんぼをくわえる様子を見ることができます。さくらんぼのなっている量を考えると、来週いっぱいで、食べ尽くされると思います。お早目にどうぞ。
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2016.05.19
以前ご紹介したように、リスやネズミの大好物であるオニグルミの実。
クルミの実は私達にもなじみ深く、すぐにその形を思い浮かべることができます。
けれど、あの実ができるまでにどんな花が咲くのか知っている人はあまり多くありません。
今日は花の盛りを迎えたオニグルミの今をリポートしたいと思います。
オニグルミの花が注目されないのは当然です。
風に花粉を運んでもらうオニグルミの花は、目立つ必要がないので花びらがなく、葉と同じような色をしていて地味だからです。
ズバリこちらが花の写真です。
オニグルミは、同じ枝にオスの花とメスの花を別々につけます(雌雄異花)。身近な植物ではキュウリなんかもそうですね。
枝からたくさんぶら下がっているものが、オスの花の集まり(雄花序)で、上に伸びるのがメスの花の集まり(雌花序)です。
既にメスの花は根元の部分は大きく膨らみ白い毛がたくさん生えています。この部分の中身があのおいしいクルミの実になるのです。
もう受粉が終わり、これ以上花粉を受け取ることはありません。
ところが、オスの花を見ると、葯(やく)が開き花粉を出し始めたばかりのようです。
このように、オスの花がメスの花より遅れて咲くことで、一本の木の中で受粉すること(自家受粉)を避け、異なる遺伝子を持つ別の木の花粉を受け取るための工夫をしているのです。
しかし、オニグルミの工夫はこれだけではありません。
自然観察の森にとなりあって生える赤青2本のオニグルミをよく見比べてみると面白いことがわかります。
よく見ると左の木には、たくさんのオスの花がぶら下がっていますが、右の木には見当たりません。
右の木の花はまだ咲いていないのでしょうか、それとももう終わってしまったのでしょうか。
右の木をアップしてみます。
分かりにくいですが、ボロボロになったオスの花の集まりが3本ほど垂れ下がっています。
どうやらオスの花はすでに花粉を出しつくしてしまったようです。
ということは、先ほどのメスの花が先に熟するという例にしたがうと、この木のメスの花はずっと大きくなっているはずですね。
ではメスの花を見てみましょう。
あれ、赤く若々しいめしべが目立ち、根元もあまり膨らんでいません。
この木は、先ほどの木と逆で、オスの花がメスの花より先に熟するようです。
オニグルミの場合、オスとメスの花が熟する順番には、2つのタイプがあることになります。
これはたまたまなのでしょうか。
宮城県のある森でオニグルミの繁殖生態を詳しく調べた東北大学の清和先生たちの研究によると、同じ森の中には先にオスになる木とメスになる木が半分ずつ存在しているということが示されています。
「あなたが先にオスになるなら私はメスになるから、私がオスになる時にはあなたがメスになってね」と、効率よく多様な遺伝子を持つ子孫を残すために示し合わせているようです。
なんと不思議なことでしょうか、植物の生態には驚くことばかりです。
以上、マニアックな樹木の生き様紹介でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
- 2016.05.03
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2016.04.29
六呂師高原いきものマップ
これからご紹介する花が咲いている場所はセンター本館の玄関ホールの「六呂師高原 いきものマップ」に掲示してあります。花探しの散策に出発される際、ぜひ本館にお立ち寄りいただき、場所をご確認ください。また、センター職員にもお気軽にお尋ねください。
あなたのベストショットを発表しませんか?
みなさんがセンター周辺で撮影された動植物や自然の写真を六呂師高原いきものマップやホームページ、フェイスブックなどで発表してみませんか。美しい花やかわいい動物を見つけた時の感動をいろいろな人に伝えましょう!
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
今年の六呂師高原は雪が少なかったためか、例年に比べ早く春が過ぎていっているようです。
自然観察の森に位置する妻平湿原では、先週からミツガシワが花を開き始めました。
妻平湿原は福井県内では最大規模のミツガシワの群生地で、白い花が湿原を所狭しと埋め尽くす景色は六呂師高原の風物詩の一つです。
花をアップして見てみると、花弁にはふさふさの毛状の突起がついていてとてもおしゃれです。
上部にはまだまだたくさんつぼみがついており、ちょうどゴールデンウィークの頃には満開となりそうです。
ミツガシワは、西日本の低標高の暖かい湿地にも点在して分布しています。
しかしその分布の中心は北半球の寒冷地で、化石資料からは氷期に低地に分布が広がり、その後の温暖化で取り残された“遺存種”であることが明らかになっています。
妻平湿原でも氷期以降一万年近くここで花を咲かせてきたことになります。
妻平湿原は気候も比較的冷涼で水深も十分あるため居心地が良い環境だったのでしょう。
また、妻平湿原ではミズバショウやサワオグルマもご覧いただけます。
妻平湿原のミズバショウは数こそ少ないですが、こんなに簡単に見られる湿原はそうはありません。
ミズバショウもミツガシワと同じく氷期の生き残りです。
この季節、白い花が多い湿原ではサワオグルマの鮮やかな黄色い花はよく目立ちます。
何輪も花が集まった姿を近づいて見てみると「ゴッホのひまわり」のようと言うと言い過ぎでしょうか。
もちろん花の見どころは妻平湿原だけではありません。
湿原の近くでは、イチリンソウとニリンソウも競い合うように白い花を開き、見ごろとなっています。
イチリンソウは、その名の通り1株に大きな花を1輪咲かせます。
ではニリンソウはというと、必ずしも1株に2輪というわけではなく、3輪の花をつけることも多いです。
下の写真では開いた花とつぼみが1輪ずつついています。
ちなみにサンリンソウという植物も存在し、1~3輪の花を咲かせます。
なおニリンソウの若葉は食用にもなりますが、同じくキンポウゲ科で猛毒のトリカブトに酷似しており、混じって生えることも多いですので命を懸けてまで食べない方が良いでしょう。
春にしか見ることのできないこれらの花々に会いに、六呂師高原まで遊びに来てみませんか。
花が咲いている詳しい場所は、自然保護センター職員にお問い合わせください。